2話 妖精

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まず質問してきたのは多分さっき自己紹介していた倉敷さんだ。いかにも陽キャラって感じだ。 「えと、あの、さっき校門で初めて会って…。」 「なーんだ幼馴染付き合ってるのかと思ったよ。」 取り敢えず私のターンが終わったようなので安堵のため息をついた。 それよりさっき私の番だと教えてくれた声の主は誰なんだろう。 私の周りにいる男子は声変わりしていて、とても幼児のような声を出せるとは思えない。 というか変に目立ってしまった。 考え事をしていたら自己紹介はいつの間にか終わっていた。 「じゃあ9時から身体測定と体力測定だから着替えて体育館集合なー。」 小田先生はそう言うと教室を出ていった。 私は榎戸くんに声をかけ人目のつかないところに呼んだ。 「じゃあ榎戸くん、さっきのこと説明してほしいな。この子が妖精っていう。」 「じゃあ今から話すことは、誰にも言わないって約束して。」 私はごくりと息をのみ、答えた。 「約束する!」
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