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「ちゅうー」
「おい、桜井。寝ぼけるな」
「あれっ……タコ?」
突然掛けられた声に目を開けると、タキシード姿の旦那さまがタコ人間に変わっていた。
「誰がタコだ! 彼氏とキスをする夢でも見ていたのか?」
一斉に笑い声が上がる。
あれっ? 旦那さまは?
ここは、どこ?
視界に飛び込んできたのは、見覚えのある教室にクラスメイト。そして、タコ人間。じゃなくて、数学の伊能先生。
……
……
どっ、どういう事なの!?
ウエディングドレスは!? なんで中学生の制服を着てるの!?
それに、胸が無い!
いや、無いんじゃなくて小さいのか……って、安心してる場合じゃ無かった。
落ち着け、落ち着くのよ。私は結婚式をしていたはず。
「どうしたんだ、落ち着きなくキョロキョロして。体調が悪いのか?」
「あっ、えっと……はい」
「誰か、桜井を保健室に連れて行ってやれ」
「だっ、大丈夫です、平気です! 一人で行けます!」
クラスメイトの視線を背中に感じながら、バタバタと教室を飛び出した。
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