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『今日、やっちゃんご両親来るでしょ、一応、ご馳走しようと思って、大舟寿司予約してるんだけど、12時で席とってるから、大丈夫だよね?
ここからなら、歩いてもすぐだし、だいたい9時開始で2時間としても、11時には手術終わって戻ってこれるでしょう?その後、赤ちゃん見せてもらって、少し話したらちょうどお昼時になるでしょー?』
母の中で、彼の両親と再会する段取りが出産というイベントよりもその後のことまで先に決まっていた。
「たぶん、30分麻酔、そっから5分で赤ちゃん取り出して、開けたお腹閉じるのに1時間って説明受けてるから、問題なければ、もっと早いだろうし、時間は問題ないと思う、そんな感じだよね」
その後のことまで考えが及ばなかったから、さすが母親は先のことまですごいなぁと関心する。
『あなたも、麻酔切れたら一人になりたいと思うよ。ずっといられても疲れて辛いでしょ、お昼行こうと誘って、そのまま家に来てもらって病室に戻らなくても良いでしょ?』
「うん、問題ない。接待よろしくね。
だけど、お寿司かー!またお腹ペコペコって言ってるときに、食べ物想像させるかなー?うらやましいわぁ。」
笑ってる母を睨むと、病室に足音が近づいた。
『開けていい?』
と彼の声に一気に笑顔になった。
「どうぞー!」
『あれー?1週間ちょっと見ない間にまたお腹大きくなってるねー!
あ、お義母さん、おはようございます。
今日は、宜しくお願いします!
両親来てるんで呼んできますね。』
爽やかな彼の顔を見て、これからの不安が和らいだ。
彼の両親が病室ベッドに顔を出し、両家が挨拶を交わす。
高速使って片道4時間、里帰り出産したい我儘に、出産時間に合わせて、わざわざナビ付けて来てれた彼とその両親に頭が下がる思いで、私も挨拶をした。
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