大好きな人と結婚するということ（21）

※

『そろそろ行きましょうか。ご家族の皆さんもオペ室横の控室にご案内します』

看護師に呼ばれ、車椅子に乗せられて移動する。

元気で、ピンピンしてるのに、大事そうに運ばれている状況下に違和感はあるけれど、いよいよだなって思うと、先ほどまでの、ほんわかな気持ちから、一気に緊張が高まってきた。

エレベーターに乗り、下の階へ、
親族控室までは、みんな一緒に移動した。

『それではご家族の方はこちらで、お待ちください。赤ちゃん出てきたら、すぐ会えますからねー。では行ってきまーす』

と、私の代わりに看護師が挨拶すると、

手術を試合と捉えていた母らしく、ガッツポーズで、

『がんばってねー！』

と頷く母。

『いってらっしゃい』

と不安と楽しみが混ざった笑顔で頷き見送る彼の両親。

最後に、優しい顔で『頑張ってね』と頭を撫でてくれた彼。

見送ってくれるみんなの顔を見て、

「頑張るー！行ってきます！」と手を振った。