2532人が本棚に入れています
本棚に追加
/299ページ
そのうち言われるだろうとは思っていたけど……。
「うん。あの、そんなにたくさん吸うような人じゃないけど、やっぱり部屋に居ると」
「あんたも嫁入り前の体なんだから、副流煙とか色んな害があるんだから、あんまりそういう人とは」
分かって言っているのか。それとも女性の先輩としての話なのか。
勘繰ってしまうと答える術が無く、黙っていると
「涼子がどんな人と付き合おうが、涼子の決めることだろう」
なぜか父が助け舟を出した。母の矛先は父に向く。
「今日はずいぶん涼子の肩を持つのね?自分もやましいところがあるから、娘のことも責められないってわけ」
え?
父は母の言葉には答えず、わたしを振り返って言った。
「上に行ってなさい。気にしなくていい」
間髪入れず
「あなたが何をしようと勝手だけど、涼子はあたしの娘なんだから、あたしが心配して当然でしょう!」
と噛みつくような母の声を、それ以上聞きたくなくて私はリビングを後にして階段を上った。
最初のコメントを投稿しよう!