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 それからちょうど15分くらい走った住宅街の一軒の家の前で車は停まった。  奥まったところで、外灯はあるけどちょっと薄暗い。 「ここなんだが……お前ここに一人で残るの怖いよな。暗いし。一緒に行くか?」 「え?いえ、大丈夫ですよ。ハザード点けて、鍵かけて行ってくれたら」 「そうか?……じゃ、五分くらいで戻るから」  彼は後ろの座席から手土産らしい紙袋を取ると中に入って行く。  手持ちぶさたにスマホを取り出すと、江崎さんからメールが来ていた。   (買い物付き合ってくれてありがとう。ちゃんと『彼』に連絡しなよ)  いい先輩だ。  というか、いいひとだな、と有り難くなる。  今日だって、江崎さんについて行かないで帰ってたら、こういうことにもならなかったし……そしたら、せっかく誘ってもらったのに行けなかった、とか言ってまた悩んで……余計に連絡し辛くなってたかもしれないし、偶然とはいえ感謝だ。  自分が、都合のいい女なのかどうかは分からないけど、とりあえず会えたことだけ連絡しようとメッセージを打っていると、コンコンと窓が叩かれた。
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