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「え?……」
天井が目に映って、いろいろ大丈夫なんだろうかと焦ってると、喉元に噛みつくみたいなキスをされた。
「怖いか」
怖い。けど……されたい。
……って、いつの間にそんな、わたし欲深い女になったんだろう。
「あ……」
彼の手が、春の薄物のニットの裾を捲って素肌に触れる。
上へと伝って、下着越しに指先が敏感なところを探るように胸の先を撫でる。すぐにそれは硬くなって、彼の指に、そこに居ると報らせてしまう。
「んっ……っ」
漏れる声を吸い取るみたいに彼は唇を重ねる。言葉の代わりに、ぎゅっと彼のワイシャツの袖を掴んだ。
やっぱりこの前と違う。
最初から、まるで体が彼を覚えていて待ってたみたいに、ほんの少し彼が触れただけで、すぐに体の奥に熱が籠って、爛れて溶けていく気がする。
「……触って……」
「なんか言ったか」
「ちゃんと……直接……」
耳元で、彼は低く笑う。
「やらしい嬢ちゃんだな。一回しただけで、そんなに開発されちまったか」
「……だれのせいで……っあ……」
待ち焦がれてた感触に背筋が跳ねる。
声が、止まらない。泣いて懇願するみたいに、自分の声じゃないみたいに……。
「もっと……もっとして」
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