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「ま。なんでもいいけど、今日はどうする。飯でもなんでも、今ならまだ映画とかも間に合うし。お前が好きなとこでいいぞ」
結局、せっかく連休に一泊だけなのも勿体ないので『朝早く出るのは大変だから、前日から彼女の家に泊めてもらうから』と嘘を重ねてきたので、明後日までこの人と一緒に居られる予定だけど。
今朝はなんとなく母はわたしの顔も見ずに、機嫌も良くなさそうだった、気がする。
「……えっと……」
「なんだ。何か問題あるか」
「いえ。そういうんじゃないですけど……」
「奥歯に物挟まったみてぇな言い方すんな。何か気になるなら言え」
そう言われて
「大したことじゃないんですけど……」
と、わたしは今心に引っ掛かっていることを話した。
「……母にしてみると、ろくに結果も出さないで、仕事も適当なあたしが遊び歩いてるのが気に入らないんだろうな、と。母は、あたしの歳には今の学校に勤めていて、ずっとそこで働き続けてるし、いい加減に見えるんだと思いますけど……。すいません。これからお休みって時に変なこと言って。……そう思われてるのは仕方ないし、実際あたしは母みたいにきちんと生きていないし、いいんですけど」
「お前。十分『きちんと』生きてんだろ。仕事して稼いで。それ以上何がある」
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