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「面倒って言や面倒だし、面白いと言えば面白い。だから安心しろ」
彼はわたしの頭を撫でて言う。
「だいたい、俺が面倒で面白くない女に、わざわざ時間と金割くようないい奴に見えるか?」
「……だからって放っておくような冷たい人にも見えません」
苦笑いして彼は言った。
「そう思うなら甘えとけ。家でぐちゃぐちゃくだらねえこと考えてるなら、俺の前くらい気抜いて楽にすりゃいい。余計なこと考えずに、うまくオッサン利用しろ」
くしゃくしゃと頭を撫でられると、涙が出そうになる。
言葉が出なくて頷いてたら、ふとそれが頭に浮かんだ。
「……あの」
「ン?」
「あの時のラブホ。行ってみたくなったんですけど……ダメですか?」
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