【13】

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 ――――あか。と言っても朱のかかったレースは、思ったほど浮かず、案外しっくり肌に馴染んでいる。口紅でも、青みが入った赤か、黄色みが入っているかでだいぶ印象が違うから、ちょうど肌に合う色だったんだろう。  彼がそこまで考えていたのか分からないけど。  でも、派手は派手で。脱衣所の鏡で、首から下だけ見るように確認して、わたしはバスローブを着た。  先にシャワーを使ってベッドで待っていた彼のところに行くと、いきなり無言でバスローブを剥かれた。 「え……」  硬直したまま視線に晒されていると、彼がおもむろに口を開く。 「……似合うじゃねえか。意外に」 「……その『意外に』って何ですか。自分で買っておいて」 「買ったけどよ。いくら俺だって、あんなとこであれこれ手に取って物色出来るほど面の皮厚くねえよ。それがたまたま目に着いて」 「それだけ?」 「いーだろ、もう。結果的に似合ってンだからよ。……こっち来い」
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