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下だけ脱がせて、上はめくりあげたままで、わたしを開いて彼は体を沈める。
「っ……」
「キツいか」
「……大丈夫、だけど……なにか怒ってますか?」
「なんでそう思う」
「……なんか、余裕無さそう……っあ」
じっとしていてくれたのが、ぐっ、とわたしの中を深くえぐった。
「そりゃ、誰のせいだろうな?」
前は、こんなこと痛いだけだと思っていた。けど、今は……違う意味でつらい。
まだ慣れなくて体に気持ちがついていけない感じで、心も体もばらばらになりそうになる。今日は特にそう感じる。
きつく目を閉じていると
「悪い。痛いか?」
と、少し優しい声がした。
「痛くは、ないです。……その……」
「なんだ。何か嫌なら」
「……今日、ちょっと強引で、……でも嫌じゃなくて、逆に……その、感じて……」
自分が、なんて恥ずかしいこと言ってるんだろうと思ったけど、伝えたかった。
「嬉しいんです。興味本意で触れる人がどんなか、あたし知ってるから、椿田さんはちゃんとあたしを見てくれてるのが分かるから。……だから、もっと……」
ぐっとわたしの腰を掴んで、彼は突き上げた。声が出そうになる唇を彼は塞いで、舌を絡め取る。どこにも捌け口の無い熱は、頭の中まで真っ白に溶かして、何も考えられなくしてしまう。
「……俺を、どれだけ煽ったら、お前は……」
吐息混じりの掠れた声が耳元で聞こえた。
「……もう会えねぇだろうと思ってたから、捨て台詞みたいなつもりでやったのを、後生大事に……。そんなの見たら、……ッおかしくもなンだろ。このバカ……ッ」
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