会いたい気持ち ～流れる川に浮かぶもの２

【１５】

「……分かってた。一回会ったきりでも、そういう真面目な奴だって。だから悔しかった。……軽く、その場限りで済ませられないような女に、一回きりにされちまったのが、……って思ってた」

　彼の、こういう、心に仕舞ってあったことを口にするような時は、わたしの頭が悪いのか分かりにくいことがある。

　けど、要するに……わたしが連絡を取らなかった間、この人は振られたと思って落ち込んでたということで。

「つまり、……そういうわたしが、あれを大事に取っておいてわざわざ着て見せたのが、そんなに嬉しかったんですか？だから今日あんなに……」

　大きな手が、がしっとわたしの頭を掴む。

「それ以上言うと、大人のオモチャ突っ込んで黙らせンぞ……」

　それからすぐに、彼の体温に心地よく誘われるみたいに、わたしは眠りに落ちた。

　夢うつつに、そっと撫でる彼の手と、頬に唇を感じた。