【18】

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 椿田さんは、ひとつ溜息をついて言った。  「俺が煙草吸いに行ってる間。そこの自販機で飲み物買ってやるくらいなら」 「――――名前は?」 「りょう。漢字はね」  さっきの階段に並んで座った彼は、自分の手のひらに指で描いてみせる。『諒』という字に見えた。 「かっこいい名前だね」 「ヒロも最初会った時、そう言ってくれた」  ……彼氏も、悪い人じゃなさそうだし、嫌いでもないみたいだ。 「諒くんが10歳で……お母さんはいくつくらい?」 「ハタチって言ってるけど、ほんとは30」  思わず笑ってしまった。 「そっか。じゃあ、聞いちゃいけないね」 「おねーさんは?」 「あたしは、23」 「彼氏のおじさんは?」  椿田さんは、わたしにお茶と彼にジュースを買ってくれた後、喫煙所に行った。 「……41」 「えー!?」  わたしが答えると、彼は目を丸くして言う。 「41引く23でしょ?……18も上じゃん。うちのかーちゃんとヒロより年離れてる」 「お母さんと彼はいくつ離れてるの?」 「……忘れちゃったけど……でも18も離れてないよ」
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