【18】

4/4

2544人が本棚に入れています
本棚に追加
/299ページ
「どうして、邪魔なんて……二人とも、そんなこと言ったことないんでしょ?」  諒くんは頷く。 「でもさ、……もし、あのおじさんと居る時に、ずーっと誰かが一緒だったら、ジャマだと思わない?」 「……それは……でも、諒くんはお母さんの大事な子供なんだから。他の人と違うよ」 「……でも、ヒロってすげーいい奴でさ、かーちゃんが仕事で遅い時とか、休日出勤の時とか、うち来てご飯作ってくれたり、一緒にゲームしてくれたり、勉強も教えてくれて……他のうちのとーちゃんはよく分からないけど、ヒロがとーちゃんでもいいなってくらい、いい奴なんだよ。……だから……なんか……ほら、かーちゃんもいつも仕事で忙しいから、たまには二人だけでデートさせてあげたかったっていうか」  ……そういうこと、考えるんだ……。 「じゃあ……二人と居るのが嫌なんじゃなくて、お母さんも彼のことも大好きだから、離れて来たんだ」  彼は頷いた。 「……居なくなる時は、トイレって嘘ついたから、それは後で謝るけど」  小学生って、もっと子供かと思ったけど、いろいろ考えてるんだな……。 「諒くんは、優しいんだね。あたしが泣いてたのも、気にしてくれたし」 「女の子が泣いてたら、気にしてあげなきゃダメだよ。あのおじさんがおかしいんだよ」 「……誰がおかしいって?クソガキ。っつーか近ぇんだよ。離れろ」
/299ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2544人が本棚に入れています
本棚に追加