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「どうして、邪魔なんて……二人とも、そんなこと言ったことないんでしょ?」
諒くんは頷く。
「でもさ、……もし、あのおじさんと居る時に、ずーっと誰かが一緒だったら、ジャマだと思わない?」
「……それは……でも、諒くんはお母さんの大事な子供なんだから。他の人と違うよ」
「……でも、ヒロってすげーいい奴でさ、かーちゃんが仕事で遅い時とか、休日出勤の時とか、うち来てご飯作ってくれたり、一緒にゲームしてくれたり、勉強も教えてくれて……他のうちのとーちゃんはよく分からないけど、ヒロがとーちゃんでもいいなってくらい、いい奴なんだよ。……だから……なんか……ほら、かーちゃんもいつも仕事で忙しいから、たまには二人だけでデートさせてあげたかったっていうか」
……そういうこと、考えるんだ……。
「じゃあ……二人と居るのが嫌なんじゃなくて、お母さんも彼のことも大好きだから、離れて来たんだ」
彼は頷いた。
「……居なくなる時は、トイレって嘘ついたから、それは後で謝るけど」
小学生って、もっと子供かと思ったけど、いろいろ考えてるんだな……。
「諒くんは、優しいんだね。あたしが泣いてたのも、気にしてくれたし」
「女の子が泣いてたら、気にしてあげなきゃダメだよ。あのおじさんがおかしいんだよ」
「……誰がおかしいって?クソガキ。っつーか近ぇんだよ。離れろ」
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