会いたい気持ち ～流れる川に浮かぶもの２

【１９】

「それは、仕方ねぇよな？悪ふざけじゃなくて、考えあってのことだとしても、それを認めるかどうか決めるのは、俺たちじゃなくてお前の親だ。……けど、な。お前が間違ってないと思うなら謝らなきゃいい。叱られても黙ってりゃいい。お前が悪かったと思うことだけ、謝れ。俺はそうしてきた」

　黙って見つめている諒くんに、椿田さんは笑いかけた。

「ま、早く説教終わらせたいと思うなら、謝った方が早ぇけどな。お前はお前の考えがあってもいいと思うぜ、って話だ」

　その時、唇をぐっと結んだ諒くんの目が少しだけ潤んで、彼は素早くそれを手の甲で拭った。

　その気持ちは、わたしには、分かるようで分からなかったけど、同性としての椿田さんには分かったんだろうか。

　彼が電話してしばらくすると、小柄な、ベージュのワンピース姿の女性が現れた。

　一人だった。

「あの……斉藤といいます。諒がご迷惑をおかけしたようで、申し訳ありませんでした」

　頭を下げると、少し明るいウェーブがかった髪がさらりと揺れて頬に落ちる。