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 意外、というのが第一印象だった。   30歳と彼は言っていたけれど、聞いていなければもっと若いかと思うくらい、どちらかといえばふんわりと可愛らしい雰囲気の女性だ。  とはいえ、子供が10歳といえば、学生結婚か、少なくともわたしの年には母親だったわけで……人生における覚悟というか、そういうものは全然わたしとは違うんだろうなと尊敬してしまう。 「……ヒロは?」  少し不安そうに諒くんが言うと、お母さんはちらりとわたしたちを見てから、彼に言った。 「……別のところで、待ってるよ。ちょっとね、ショックだったみたいで」 「怒ってた?」 「最初は怒ってたけど、ママが話したから、怒らないよ」  それから、彼女はわたしたちに顔を向けて、言った。 「この子から、なにか聞かれましたか?」 「……お父さんが亡くなって……彼氏さんが、お父さんみたいに良くしてくれる、と」 「そうですか」  彼女は、苦笑いのような笑みを浮かべた。 「……ご迷惑おかけして、言い訳なんて出来る立場じゃないんですけど……しばらく私の仕事が忙しくて、三人で出かけたのは久しぶりのことで、この子が変に気を遣ってしまったみたいで……そうでしょ?諒」
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