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【8】
「これ以上煽ったら責任持てないって、言ったよな?俺」
「……あの、でも……提案していいですか」
「あ?」
「こっ……ここじゃ絶対椿田さんも大変じゃないですか。背あるし、脚つっかえそうだし。あたしも、今最後までしたくなくもないですけど、……一応、外だし……だから、部屋行ったら何でも言うこと聞きますから、ここでは」
突然、彼は吹き出したかと思うと、盛大に笑い出した。
車の中には笑い声が響いてさっきまでと全然違う空間になる。
「……あたしまたバカなこと言いましたか」
「違う。……俺が悪い……つか、……お前普通考えて、好きだって言われて怒る男居ねえだろ」
くっくっとまだ肩を震わせながら彼は言う。
「……だって、怖がらせるような顔してたじゃないですかぁ……」
「悪かった。……いや、好きだとか言っといて、ごめんなさいってのが、……涼子らしくてあんまり可愛かったのと、……あと、まあ、さっきの仕返しだな」
「さっき、って……食事行かなくてもいいって言ったあれですか?」
「結構傷ついたぞ。オッサンでも。……あーあ……っていうか、途中で止めちまったけど、そっちが大丈夫か。体ハンパじゃねえか」
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