母と子

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するりと悠の腕から手を抜き取り、亜蓮に走り寄る。親子揃って素敵だった。 本当に15歳なのか。それにしてはイケメンで出来た男ではないか。髪の毛も自分でやったのだろうか。 素敵だ、超素敵! 「着慣れなくて、……ちゃんと着れてる?」 「そ、そうだよね。でも、亜蓮凄いにあってる!かっこいい!素敵…」 そう口にしたら、一気に亜蓮が遠くに感じた。 自分から離れていく気がして寂しくなった。 本当に大きくなったなぁ。 「すごく、素敵で立派だよ。……本当にそう思う」 「美桜も、普段見ない格好。そんなの着れるんだ。」 ですよね。 普段はシャツとスキニーとかシンプル!ザ・シンプルだもんね。わたし。 「一応、着れる…ちょっとだけ落ち着かないんだけど…」 「いいんじゃない。よく似合ってると思う。父さんが準備したんでしょ?」 「うん。綺麗だよね、わたしにはもったいない」 肩を竦めて見せるが、後ろからピシャリと声がかかった。 「何言ってるの、美桜が着るから綺麗に見えるんだよ」 「中に入ろうか」と美桜の腰をだき、亜蓮の肩を寄せて店へと誘導していく。 「サイズは大丈夫か?」 「思ってたよりもだいぶ似合ってる、よかった」 「着方がイマイチで…」 と、悠と亜蓮は話しているのを美桜は目の前のイルミネーションに気を取られていて知らない。
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