第1章 出会い

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授業が終わって、ざわつき始める。 「美桜またね」 じゃあ、と手を挙げて、颯爽と階段を上ってこの講堂を出て行ってしまった瑞君は楽しそうにしていた。 きっとこの後予定があるのだろう。それが楽しみで仕方ないのかもしれない。 今日はお昼で終わり。 とりあえず講堂を出ようと、階段を上る。 「これから雨だってー」 「え、そうなの??桜散っちゃうね。傘持ってきてないんだけど」 なんて会話が聞こえてきた。 もちろん私もその情報は初耳だし、傘なんて持ってきていない。 早いところ帰ってしまおう。 その前に、挨拶だけでもと坂田先生のところに行こうと行き先を変更した。 「失礼します」
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