第1章 出会い

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白シャツにジーンズなんて、下は重くなって終わるけど、上は濡れればアウトだ。 しばらく待ってたら止むかな… ジッと空を睨みつけながらそんなことを考えていると、後ろから声かかけられた。 今日はよく声を掛けられるなと思いながら振り向く。 「美桜さん、でしたよね」 「あ、はい。さきほどは、どうも…」 相川悠先生が立っていた。 もう帰るのだろうか、皺一つないスーツに身を包み、バックを持っている。 「急な雨ですね…傘は持っていますか?」 「いいえ、…天気予報を気にしなかったものですから、どうしようかと考えていたところです」 「なら、この傘を使ってください」 「え、でも…」 先生の傘は一本しかない。 私に貸してしまえば、自分が困るだろう。
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