第1章 出会い

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「先生おはよう」 「ああ、おはよう…って、敬語を使えけ・い・ご!」 「ちゃんと心の中では尊敬しています。はい、これ」 「ん?なんだこれ」 コツコツと5cmという控えめなヒールの音を響かせて、先生の机にさっきテイクアウトしたばかりのコーヒーを静かに置く。 来るたびに、(気分が乗ればだけど)コーヒーを持って行っているのに、この反応はなんだろうか。 「コーヒー」 「頭大丈夫か?」 「失礼な」 たまにはお疲れ様です、いつもありがとうございますの気持ちを込めてのテイクアウトなのにこの教授は本当に教授まで上り詰めた教授なのか! と、真顔で教授を見下ろしながら、心の中で悪態をついていると、サイドから笑い声が飛んできた。 「ップ…アハハハッ」
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