第1章 出会い

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どのくらいそうしていたのか… 時間の感覚はわからないけれど、我に返る声が目の前から聞こえてきた。 「何二人で見惚れ合ってるんだよ」 先生の呆れたようなため息交じりの声に、ハッとする。 「あ、ごめんなさい」 「いえ、こちらこそ」 咳払いが聞こえて、仕切り直しと私も身を引き締める。 「小林美桜です。今4年生です」 「相川悠(あいかわ はるか)です。ここの附属の大学病院の脳外科医をしてます」 「先生だったんですね、失礼しました」 お辞儀をすると、また笑い声が聞こえてきた。 「よろしく」 またあの笑顔で。私もよろしくお願いしますと返す。
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