第1章 出会い

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横目で坂田先生を見ると、ニヤリと不気味な笑いを浮かべていた。 私はそれに目を細めて睨み返した。 これでも坂田先生は、小児科・救命救急・産婦人科を回ってきた凄い教授なんだよなぁ... 挨拶を交わして、談話室を出ると一気に現実に戻った気がした。 談話室での時間は少し時間が遅れているような、穏やかな時間を過ごすことが出来るからとても落ち着く場所だった。 今日は、初対面の先生がいたから穏やかとは言い難いけれど、先生との挨拶は穏やかな時間となった気がする。 さて、2コマ目は講堂だったはず。 談話室を出て、講堂へ向かう。 小階段を上れば、既に扉が開いていて、どうぞと招かれているような気持ちになった。 中に入ると、席は階段席。 真ん中らへんに数名の学生が座って、話し声が聞こえてきた。 広い講堂には、数名の人で話していたとしても十分響いている。
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