5人が本棚に入れています
本棚に追加
日野資朝、日野俊基(ひの・としもと)といった一族が次々と配流されたことを思い出す。
「お師様……けれど、時代の流れは後醍醐帝にある」
「持明院統につくのだ。そなたは師である私に逆らうのか」
「いえ……」
賢俊は、かつて昔に比叡山で赤松則祐と語り合ったことを思い出した。
――今さらだ。
ふ、と暗闇の中で笑い、「持明院統につきます」と言ったのだった。
赤松円心は後醍醐天皇の味方だ。
自分と則祐とは敵同士になったということがわかり、それを賢俊は苦しく思ったのだった。
最初のコメントを投稿しよう!