六波羅の嘆き

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 仲時は言った。 「もはや、北条も終わった。わかっていながら、ここまでついて来てくれた皆、ありがとう。なんとか、その気持ちに応えようと思うけど、もはや命運も尽きた。こうなったら、皇族方に、この仲時の首を捧げよう。この首をもって安楽にすごせますように」  この言葉を残し、仲時は、その場で腹掻き切って切腹。  糟谷宗秋が介錯し、 「殿を見捨てるなどできません……死出の山道、お供します!」  と言って、仲時の体を貫いた刀でもって、彼も自害した。  その場にいた四百余名も二人の後を追って、自刃。
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