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「もうじきあなたは捨てられる。北条氏が滅亡するのもあと少しだ。そうなっては、殿が北条の姫を娶っているのは体裁が悪いことになる」
見下げきった眼差しで言われればこちらも腹が立つ。
「殿があなたにそう言ったの!?」
本当ならば、一発二発夫を殴ってやると思いつつ言うと、
「私がそう思っているからです。だから、殿もそう思います――いえ、そう思わせます」
「もろなおー」
貝合わせで喜んでいた千寿王を横抱きにした。
「やー、もろなお、やー」
「千寿王をどうするの!」
つかみかかったが、袖を振り払われておしまいだった。
「これから鎌倉を襲撃します。それには殿の明確な手柄が必要なのです。新田義貞の手柄にされてはまずいのです」
「新田義貞……?」
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