北条のゆくすえ

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 新田義貞の軍に攻め立てられ、もはやこれまでと自刃するとき、妻を、子を、弟を、妹を思った。  そして、足利千寿王軍・新田義貞連合軍に攻められ観念した北条高時・長崎円喜・長崎高資ら一族・家臣らは菩提寺の東勝寺に集合し、寺に火を放って自害し果てた。  それらを、幼い千寿王は帝の軍の将として見ていたのだ。  かくして、北条氏は、密かにかくまわれ、逃された高時の子亀寿丸と高時の弟高興たち一味を残して滅び去った。 ……いや、あとひとり。  いけしゃあしゃあと勝利した武将の妻の座に居座っている赤橋登子を除いては。
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