第1章

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「優人は指一本触れてないはずですが?」 「ホテルの部屋で一緒だったのよ。優人が何と言おうと、信じてもらえると思う?」 「優人はすでに婚姻届を出してます。 お父さんにもお伝えしたのですが信じていただけなかったので。 明日の会見でちゃんと話せばあなたとの誤解も解けるでしょう。」 大きい契約で違約金を請求されたら会社が潰れるかもしれないと前に聞かされた。 玲子さんはそれを吹っ切ったかのように、令嬢に話してくれる。 頼もしくて胸が温かくなる。 「そんなんじゃ済まないわよ。絶対済まさない。」 「スポンサーの娘さんのお願いを私が聞くように説得して、優人は嫌々行ってたのです。 誘いを断らなかった責任があるのなら、それは私にあります。 お願いです、もう優人を解放してください。」 「無理だわ、気を持たせた優人が悪いのよ。このドレスは無駄にはしない。 覚えといて。 そのちんけなドレス着た女が泥棒猫?」 玲子さんの顔が鬼の形相になった。
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