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「へー、健やったな。」
「私、令嬢の言葉で泣きそうだったけど、玲子さんが言いたいこと言ってくれたから胸がスーっとしたよ。」
「健が頑張ってくれたんだから、明日は俺の番だな。」
「頼りにしてます、旦那様。」
「…………。」
高村くんが表情を変えずにじっと見詰めてくる。
「…高村くん?」
次の瞬間その顔が嬉しそうに緩んだ。
「…夕貴、すげーいい、今のもう一回言って。」
「え?旦那様?」
「そう、それ。」
「頼りにしてます、旦那様。」
もう一度繰り返すとあっという間に目の前には高村くんの胸
優しい温もりに包まれていた。
「夕貴は俺を喜ばす天才だな。襲っていい?」
「ダメ、食べ終わってから。」
レイのときは触れてくれないのに、化粧を取ればいつものベタベタの高村くんだ。
私は何も変わってないのにって思うのに…
職場で触れてくれなくて寂しかったのが今ので吹き飛んだ。
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