第1章

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「優人、10分あげるよ。化粧直しは俺がするから心配ないよ。」 「え、いいんですか?」 「会見前にパワーをチャージしたいだろ?時間厳守な。」 「サンキュー」 店長は私を見てにっこり頷いて部屋から出ていった。 赤く色づいた頬の高村くんが優しく頬を撫でる。 会見前の緊張か、グレードアップしたレイのせいか分からないけれど その手は微かに震えている。 「夕貴、昨夜の言葉、も一回聞かせて。」 「頼りにしてます、私の旦那様。」 「うー、もう押し倒したい。」 唇を捉えられ、ゆっくり私を確かめるように蠢く舌。 それに私の舌を絡めると一気に深く熱情を込める高村くん 力が抜ける私をしっかり抱き抱える逞しい腕 あーこのままだと止まらなくなる そう思ったとき トントン 音を合図に唇が名残惜しそうに離れた。 「続きは帰ってから 覚悟しててな。」 そう囁く高村くんの頬はもう赤くなかった。 ノックから一呼吸おいて、玲子さんと店長が控え室に戻ってきた。
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