第1章

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悲しい夢の余韻が消えなくて ボンヤリ、テレビを見ていた。 『優人の結婚が決まったようです。』 『お相手は、夜な夜な二人でホテルに消えていく、宝飾品を手掛ける大手企業『ジュエリーマリ』のご令嬢、佐伯マリさん以外にないでしょうね。』 『優人のスポンサーの内部の人間の情報では近々結婚会見があるようです。』 『世の女性の心を鷲掴みの優人もついに人のものになってしまうのですね。』 『中村さん、私情が出てますよ。』 『世の中の女性はきっと今ごろ泣いてますよ。優人ロスで今日は飲み屋が繁盛するでしょうね。』 嘘、高村くんの結婚相手が令嬢に擦り変わってる。 嫌な予感が体を震わせた。 大丈夫、私たちの結婚会見のために、玲子さんが会場を押さえてくれているのだから… 私が余計なことで心を擦り減らしてたらだめだ。 化粧を直そうと社長室を出てトイレに向かった。
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