第1章

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あの時の気持ちが蘇る。彼の気持ちが伝わって苦しくて仕方なかった。いつもそれは私の心にあって息苦しくさせていた。 「その時、僕は恋をしました。この人が欲しいと感じたときには彼女は友人と付き合い始めていました。」 あっちゃんと付き合い始めたのは、高村くんがそれを望んでいると思ったから… 彼が喜ぶのが見たくて付き合い始めた。 あっちゃんに失礼なことをしたんだ それを思うと今でも胸がチクリと痛む。 あの時、すでに私は高村くんが好きだったのに、気付いていなかったんだ。 「友達の彼女なんだからと言い聞かせても、彼女が好きとな気持ちは収まらず 葛藤しながらも、彼女に近づくことを辞めれなかった。」 その頃の気持ちを思い出したのか高村くんは辛そうに眉間に皺を寄せた。 「彼女もまた悩んでいました。友人と僕の間で苦しんでいるのが分かりました。 友人もそれに気が付いていた。 ある日彼から電話を貰いました。 夕貴と別れた。自分には出来ないけど、僕には夕貴を幸せすることができる。夕貴を泣かせたら許さないって。 それから僕たちは付き合い始めました。高校1年の二学期のことです。」 高村くんの話を聞きながら昔が蘇ってくる。そうだったあの頃本当に彼のそばにいるのが楽しくて、別れの時間が切なかった。
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