第1章

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「そのスクープの件ですが、大口のスポンサー様のお嬢様の度重なるお誘いを断れなかったのは、社長である私です。 怒らせて契約を切られてしまうことが怖くて、優人の気持ちを知っていながらご令嬢に付き合うように説得していました。 けれど、優人が今言ったように彼はレイこと夕貴さん以外の女性に惹かれることはありません。 ホテルで食事し、令嬢が予約していた部屋にお連れしたことは何度もありましたが、男女の関係は一切ありません。 お疑いならホテルに問い合わせて頂いても結構です。優人は部屋に行くときは、必ず従業員を同行させていましたから。 ではご質問をお受けします。」 「お二人の経緯はよく分かりました。揺るぎないお二人の愛に感動しています。 お二人にお聞きします。6年間離れて、一度も他の人に惹かれることはなかったのですか?」 「無いです。」 凛とした態度で言い切る高村くんにまた涙が溢れる。 「私も…無いです。」 私も言い切れる。高村くん以上に心を揺さぶる人は現れなかった。 「では、レイさんにお聞きします。」 「はい。」 「レイさんはモデルの仕事を以前されていましたが…」
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