第1章

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「えー、もう洗うだけだって。約束するよ。」 いやいやいや…それだけじゃないんだって、高村くんに明るいところで見られるのが恥ずかしいんでしょ? 「やだ。」 「何で」 「恥ずかしいの」 「あんなに大胆だったのに?」 あのときと今では違うのに… 高村くんには分からないみたいだ。 そんなこと言われるのも恥ずかしいのに… 「もう、高村くんのバカ!」 真っ赤になる私を不思議そうに見る高村くん。 「何、怒ってるの?」 「知らない。」 高村くんがしぶしぶ一人で入ることを許してくれて、 ゆっくり湯船に浸かりながら、朝の会見を思い出していた。 これまでのことが次々と蘇り 高村くんがどんなに私のことを思ってくれていたのかを再確認できた。 私は何て幸福者なんだろう 好きな人に愛されて溢れるほどの愛を注がれて 一生分の幸せを今使いきってしまってる気さえする。 これからもこの幸せが続くことを祈らずにはいられなかった。
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