第1章

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「着てみせて。」 「こちらへどうぞ。」 フィッティングルームに案内されて、着替えて玲子さんに見せると、 「レイにしては大人っぽいドレスね。素敵だわ、人妻になるのだからそれくらいがいいわね。 会見の時はワンピースにしましょう。 それから、山村さんにメイク頼まなきゃね。」 「わぁー!店長にですか?」 私の明るい声に玲子さんが笑った。 「やっと元気な声が出たわね。」 「店長が来れば百人力ですもん。」 店長なら魔法をかけてくれる。自信をもって人前に出れる。 「わぁー素敵ですわ。」 「やっぱりオーダーは良いわね。」 声の方を見ると見覚えのある顔。 あの令嬢だ。 顔を見ないように俯いた。 「どうしたの?」 玲子さんが不思議そうに見てくる。 「高村くんとスクープされた令嬢です。」 小さな声で玲子さんに伝えると 「あー、ほんとだわ。」 玲子さんが思いっきり嫌な顔をした。
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