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「無視すんなおい」
「ん」
「いや見ろって意味じゃないから」
「はーい」
「いや、 見んなって意味でもなくて……メンドクセー奴だなおい」
おいおいおいおいうるさいよって言ったら怒られそうなので言ーわない。
「じゃあご苦労様さよーなら」
「さよーならじゃねーよ」
「いや、 用ないからもう」
「お前じゃあ何のために俺呼ばれたの? 」
「知らね。 『愚痴吐かれ器』君」
頭殴られた、 泉に落ちたらどうするんだ。
普通に泳げるし水恐くないけどびしょ濡れになるでしょーよ。
いつまでも居るけど本当に何もないからね、 帰って良いんだよ。
龍次は帰らない……じゃあ私が帰ろう。
「おいどこ行くんだ」
「帰るんだ」
「いやいやいや」
「やいやいやいやい」
また怒られた。
器の小さい男だな、 私が帰るだけなのに何なんでしょうね。
その茶髪全本抜かれて禿げたいのかな? ミスタードラゴン。
「相談とかじゃねーのかよ」
「何の話」
「オメーの記憶力は鶏並みか」
鶏だってさニワトリ。
鶴に鶯に鶏に……私は一体どの鳥なんでしょうかね。
「ねぇ、 鶴って綺麗だよね」
「いや知らんけどな」
「鶴知らない訳ないでしょ」
「お前また殴んぞ」
うん、 この男は女の子にも手を出すようだ。
明らかに手加減はしてるしとても優しくだけど。
「鶯は鳴き声いいよね」
「変だよな」
「んだとコラ」
「!? 」
私はアオスケに会った時から鶯が好きになったんですよ、 悪口言うな。
「鶏は面白いよね」
「どこがどんな感じに?? 」
「動き」
「それは共感しかねます」
鶏のあのホヘッてる(?)歩き方は面白いと思うけどなぁ……この男はユニークさが足りないな。
もっと面白くなりなされ。
「ねぇねぇ龍次」
「何?」
「アーメン」
「ちょっと待て」
「何」
「何を祈ったんだよ」
「君の不幸をさ」
「おいコラ」
まあ、 冗談だけどね。
親友には幸せになって欲しいに決まってるじゃん。
まあ言わないけどね、 面白いし。
「んじゃ、 マジで何も無いなら帰るぞ」
「しっしっ」
「お前マジで1回本気で殴ろうか」
「おまわりさーん」
「やめろや! 」
私と龍次は別々の家へ帰った。
そりゃそうだ、 同棲してないもん。
したくないもん。
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