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授業を終えて寮へ戻ると一つの部屋の前で朝見た高梨と一人の男がもめていた。なんだかこそこそ話している様子からあまり人に聞かれたくない内容のようだ。関わりあいたくもなかったので黙って通り過ぎようと思ったがその時、高梨と目があってしまった。向こうも気が付いたのかすぐに目をそらし相手の男の腕をつかんで部屋へと引っ張りこんでドアを閉めた。
今日の相手はあいつってことか……
少しもやもやするのを感じながら神津は自分の部屋のある階へと階段を上っていった。
部屋に戻り鞄を置くとジャケットをぬぎベッドの上に転がった。
あいつ、毎日、誰かを部屋に連れ込んでやっているのか?いくらオメガだからって毎日やらないと気が済まないものか?ビッチすぎるだろ……
ふわふわと柔らかそうな髪の毛にくりくりの丸い瞳。笑っていればかわいいんだろうな。
そんなことを考えながら今日はずっとあいつのことばかり考えているなと思った。
毎日、毎日、違う男と寝てひどい目にあったりしてないのだろうか?
そう思いながらいつの間にかスマホを手に取って稲葉へと電話をかけていた。
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