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部屋に入った千紘はベッドの上に座り考えこんでいた。
たまにいるんだ。勘違いしたやつが……
こうして部屋まできて今日も一緒にいようとか自分が一番だとか思っているやつが……
どうやって断ろう?今日の約束はもうしてあるし、そもそも何度も同じ人間と寝る気はしない。ただの遊びなのに本気になられても困るからやばそうな奴には近づかなかったのにな……
「今日はもう、約束があるんだ。そもそも、別に付き合ってるわけじゃないんだから約束もなしに部屋まで来ないでくれる?」
千紘はそう言いながらドアのそばに立つ一人の男に言った。男はその場所から動く気配もなく立ち尽くし下を向いている。
「好きなんだ。高梨君と付き合いたい。僕だけと付き合ってよ。大事にするよ。」
千紘は溜息をついて立ち上がった。
「僕は誰とも付き合わないんだ。一人に縛られるなんてまっぴらごめんなんだ。」
そう言って出掛けるから帰ってと言ってドアの方へと向かった。ドアを開け出るように促すとその男はとぼとぼと外にでて歩いていった。
千紘も行くあてもなく階段を下りてぶらぶらと歩きだした。
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