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食堂について隆也と一緒に食べていると少し離れたところにその稲葉先輩がいるのが見えた一緒に黒髪の気の強そうな男が朝食を食べていた。友人らしく何やら話しながら食べているようだ。
「あ、千紘、稲葉先輩いるよ。ほら。」
と言いながら視線を向ける。一緒にいる男はアルファだろう。端正な顔立ちに意思の強そうな目、がっちりとした肩から腕にかけてのライン。背も高そうだな。そんなことを考えながらちらりとみるといきなり目があってしまった。その鋭い目にはなんの感情も伺えず眉間に少し皺がよっていた。
食べ終わった先輩たちは僕らの席の横を通りながら稲葉先輩が
「高梨君、おはよう。」
と声をかけながら通っていった。
「やっぱり、知り合いなんじゃん。」
隆也はそう言いながら米を口に入れてもぐもぐしていた。
通りぎわに千紘のほうを一瞥してその男は何も言わずに言ってしまった。
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