第10章 旅立ち

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第10章 旅立ち

小春日和の今日、私たちは高校を卒業する。 みんな無事志望校に合格し、4月からは大学生だ。 そのみんなと出会ったのも、2年生の時だった。 あの時は憧れだった奏太君への気持ちも、今ははっきり好きだと言える。 私は昨日の夜眠れなかった。 今日、奏太君に気持ちを伝えようと、決めたからだ。 「おっす、香恋。」 「おはよう、海渡。」 「いよいよ、卒業か~。気付けば3年間一緒のクラスって、香恋を含めて5人しかいないのな。」 「え!私、海渡と3年間も同じクラスなんだ。」 「だ~か~ら~、香恋は、」 「驚くポイントが、人と違うのよね。」 私と海渡は、後ろを振り返った。 「おはよう、茅乃。」
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