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かぐや姫
朝起きたらとんでもない美女が隣で寝ていてラッキー!なんていうのはどっかの漫画かドラマではよくあることだけど実際には、そうあることでもないし、もしもこの珍しい体験をしたのなら、嬉しいどころか、恐怖でベッドから転がり落ちるのが本当だ。
「い、いったいこの女性は、だ、誰だ?美人局か、稼ぎもない中流大学の男子学生の僕に、いったい何が起きた?」
昨夜はバイト先から遅れて合コンに合流した。
そう言えば、黒髪の綺麗な子がなぜか僕の顔を見て近づいてきた。
そうして…記憶が消えている。大してアルコールを飲んだ分けでもないし、二日酔いでもないのに。
とにかくトランクスの中を覗いて痕跡をチェックをしているとベッドで眠っていた彼女がぱちりとまるで人形のように目を開けて動きだした。
「きゃあああ!」
案の定、第一声は悲鳴、その後、謎の美女はいろいろ意味不明な言葉を発した。
僕はトランクス1枚の上からタオルケットを巻いて彼女に向かって言った。
「君は僕に操を奪われたとか言い出すなよ、こういう場合は両方に落ち度がある。このネタで君が彼氏を使って、貧乏学生の僕から金を脅しとろうなんて見え透いた手口は通用しないからな!」
僕は勇ましく言いはなったつもりが、びびりを自覚するほど声が上ずっていた。
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