氷鏡

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どうしてあの空が懐かしいのか 分からないままで 痛んだ心ごと凍らせるように 静寂が私を包んだ 大地の嘆き 虚空の闇夜 映る世界は苦しくて かつて誰かを 想ったことも 遠く…… この世界は優しいだろうか 風が髪を揺らすたび 何か忘れている気がするけど 私は詩を失い 堕ちたうぐひす あの空を見上げて耳を澄ませて 何を待ってるの 微笑みも想い出も無くしたままで いつしか涙も枯れても…… 揺れる氷鏡 暗く映した 景色は混沌へと進み 凝り固まって 淀んだ影は 深く…… この世界は美しいだろう いつも繰り返す言葉 誰かに呼ばれたような気がして 私は詩を探して 夜を旅立つ
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