水鏡

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響く花風の音 髪を揺らし天へと昇る 光る星は流れ 堕ちる闇夜 遥か地を包む 水鏡に何かが揺らめく 刹那の刻 儚き逢瀬 それは許されぬ恋と 結ばれぬ恋と 悟っていても至福だった 降り積もる夢の欠片 貴方の声も温もりも 見上げる瞳 こぼれ落ちた雫 傷跡が痛むより強く 恋は夢幻 巡る想いよ 私を導く記憶は 確かに在ると静かな熱さで 貴方を捜し続ける 守る この鏡は 現世の魔を映し消し去る 手を伸ばし連れ出して 広き世界 見せてくれた人 空を駆け翼を広げる 貴方が紡ぐ詩を聞いた これが恋と呼ぶのかも分からないままで 時よ止まれと願っていた 降り積もる詩の欠片 天地揺るがす力秘め 愛する人をこの手で消しても 絶望に流されはしない 恋の翼 つのる想いよ 玉響でも胸を満たす 貴方の声が紡いだ言ノ葉 私を誘う光 天つ風が吹き抜ける 呪縛に抗いながら貴方は笑う 指で髪を梳きながら 鏡に映してほしいと 降り積もる愛の欠片 貴方へ続く詩になる 忘却を経ても時を遠く越え 恋しさが私を動かす 恋を詩に 巡る証に 玉響でも胸を満たす 貴方が世界に放つ言ノ葉 私を導く光
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