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「大佐の奴、なにをするつもりなんだ。戦車の弾はなくなったようだったぞ」
パトカーからそれを見ていた署長はつぶやいた。
後席から身を乗り出していたミリィは目を見開いた。
「お祖父ちゃん、あのまま突っ込むつもりなんだわ……!」
なんだと、と署長はミリィをふりかえった。
「馬鹿な! そんなことしても犬死じゃあないか!」
「止めなきゃ……」
ミリィはつぶやいた。
どうするつもりだ、と言いかけた署長にミリィは叫んだ。
「署長さん、お祖父ちゃんの戦車に車をつけて!」
おい、と署長は目を丸くした。
「まさか、きみ……」
ぐっと身を乗り出し、ミリィはふたたび叫ぶ。
「いいから、言うとおりしなさいよ!」
う、うむ……と、署長はうなずいた。
まるでこの娘、祖父とそっくりだ。
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