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パネルから顔を上げたパックは、ロボットの進行方向に戦車が止まっているのに気づいた。
やばい、このままじゃぶつかってしまう。
もしかしたら、つまづいてロボットがひっくり返ってしまうかも……。
おや、あれは誰だ?
赤い三つ網の女の子……。
ミリィだ!
「ミリィの奴、なんであんなところにいるんだ……」
あっ、このままロボットがつまづけば、彼女の上へ倒れこんで……!
冗談じゃない。
パックのひたいにどっと汗が噴き出した。
背後からキャリーが叫んでいる。
「ねえ、どうすんのよ? あたしたち、助かるんでしょ?」
ばらばらばら……。
頭上から騒音が降ってくる。
見上げたパックは、軍のヘリコプターが近づいてくるのを見てとった。ヘリコプターのパイロットの顔すら見分けられるほどの近さだ。
パイロットの唇がにやっ、と笑いに歪んだ。その手許が操縦桿のミサイル発射装置にのびた。指が引き金をひきしぼる。
ヘリコプターからロボットに向け、ミサイルが発射される!
しゅばっ!
しゅばっ!
うつろな音と共に、白煙をたなびかせ、ミサイルが宙を飛んでくる。
どっかあん……!
ずしーん……!
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