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ミサイルはまわりの民家に命中し、爆発を巻き起こした。
爆風がロボットの歩行を揺らす。しかし止めるほどではない。
進行方向のむこうでは、軍隊が道路を占領していた。
ばらばらとトラックから歩兵が銃を手に飛び出してくる。地面に散開すると、バズーカ砲、RPGミサイル迫撃砲などをすぐに構え、こっちを狙っていた。
その背後には装甲車、戦車がずらりと勢ぞろいしている。
なんてこった!
もう、これじゃ戦争そのものだ……。
「ねえ、どうすんのよ! あたしたち、死んじゃうの?」
キャリーが涙声になってパックに迫っていた。
うるさいなあ、とパックは思った。
となりではジェイクが手をあわせ「なんまいだあ、なんまいだあ」とつぶやいていた。
見る見るロボットとミリィの距離は縮まっていた。
ミリィは大佐と抱き合うようにして、迫ってくるロボットを見上げている。もう、恐怖のため動くことすら出来ないようだ。
パックは唇を噛みしめた。
かれの視線は一本のレバーに留まっていた。
本当の非常事態に用意していた装置……まさか使うことあるまいと思っていたのだが、こうなったらしかたない。
パックはそのレバーをぐっと掴んだ。
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