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その時、迫撃砲を構えていた兵士が上昇を続けている操縦席に狙いをつけていた。
無意識に兵士は引き金を引き絞っていた。
ずばっ!
迫撃砲からミサイルが宙に飛んだ。
ひょろひょろとした航跡を残し、ミサイルは空に浮かぶ操縦席に吸い込まれていく。
「あっ、馬鹿者!」
それを見た司令官が叫んでいたが、もう遅かった。
ミサイルが操縦席に命中する。
どかあーん……!
空中で操縦席は白煙につつまれていた。
わあーっ、とパックは悲鳴をあげていた。
その時、落下する操縦席からパラシュートが開いていた。
地面からは数メートルしかなかったが、それでもパラシュートは青空をバックに、白い大輪の花を咲かせていた。
ごつ、と音を立て操縦席は地面に落ちていた。しかしパラシュートが開いていたため、なんとか衝撃は吸収されている。
ばさりとパラシュートは操縦席におおいかぶさった。
そのパラシュートをかいくぐり、パックはなんとか顔を外へと突き出した。
ふーっ、とため息が出る。
「パック!」
ミリィが駆けてきた。
「ミリィ……」
一瞬、ふたりは見詰め合う。
と、いきなりミリィはパックの頬を打っていた。
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