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ぱしんっ!
パックの頬でミリィの平手が乾いた音をたてる。ミリィは爆発した。
「馬鹿っ! なんだってあんなもの、作ったのよっ! 人に心配ばかりかけて……」
怒鳴り声は最後に涙声に変わっていた。ミリィの顔がくしゃくしゃにゆがみ、やがて大声で泣いていた。
あーん、あーん!
泣きじゃくっているミリィに、パックは困った顔をしていた。こんなミリィを見るのははじめてである。
地面にひろがったパラシュートが持ち上がり、ごそごそと三人の男女が顔を出した。
キャリー一味だ。
三人はあたりを見回し、じぶんたちが地面に這いつくばっているのを確認して喜びの表情をあらわした。
「姐御! あっしら、助かったんですぜ!」
「本当? 本当かい?」
「間違いねえ! ほら、あっしらちゃんと地面に立っているでしょう?」
そう言うとジェイクは地面を踏みしめ、タップを踊っていた。
ウッドもそのながい顔をほころばせている。
キャリーはおそるおそる立ち上がった。
「ああ、本当だ。あたしら、助かったんだ」
がちゃり、とキャリーの手首で金属の音がした。
目を落とすと、彼女の手首に手錠がかけられていた。
目を上げると署長の目と合った。
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