追煙

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席に座り、マスターが灰皿を持たずに階段を上がって来るのが見えた。 こちらが何も言わなくてもマスターは 「“いつもの”ね?」 と聞いてくれるが、今日は思い切って違うものを頼んでみよう。 私は、変わったんだ。 思い切って、可愛いラテ系でも頼んでみようか。 メニューにあるかどうかもわかんないし、あったとしてもあのマスターがラテアート作れるとは思わないけど。 そう考えながら、私はメニュー表を広げた。 違う席、違うメニュー、そして変わろうとする自分に少しだけワクワクしながら。 完
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