18人が本棚に入れています
本棚に追加
「あっそう。特別って言われたからっていい気になるなよ?」
「へ? あー……。あの人のこと何とも思ってないですけど?」
「……何とも思ってないなら、黙って生活しなよ! それだけだから」
勢いよくバンっと、ドアを閉めてそのまま立ち去ってしまった。
何なの? 何であの男のことでそこまで言われなきゃいけないの? 何か変な所に来ちゃったなぁ……ムカムカして最悪なんだけど。
初日の朝から変なことがありすぎて、ここの中を歩き回れなかったけど、少しでも知っておこうと、シェアハウス内を見て回ることにした。
案内図を見ると、大勢の人が住むための設備や部屋が完備されているみたいだった。大浴場、厨房、リフレシュルーム? スタジオ? 図書ルーム……
厨房らしき前を通ると、調理中なのか料理する音が聞こえる。“トントントン”リズミカルに野菜を切っている音が気になって覗いてみる。見ると、いかにも調理人らしき人が包丁で野菜を切っていた。
「……ん? 誰かいるの? お! どした? 夜遅くに」
「あ……! あなたは朝の……別に、見て回っているだけです」
「何だ、そうかー。てっきり俺に会いに来たかと思ったよ」
「朝の言葉、アレはどういうことなんですか? 誰にでもあんなこと言ってんでしょ?」
最初のコメントを投稿しよう!